去年単発で放送された松本人志のコントMHKのシリーズ化に先立ち、NHKプレミアムで8時間におよぶ松本人志特集「大文化祭」が放送された。
私は、かれこれ20年以上、ダウンタウンおよび松本人志のファンであった自分は、この特集、および新コントについて少々語る資格があると信じる。
また、この放送について視聴率は「惨敗」だったそうだが、NHKなのだから、視聴率の低さを気にする必要はない。視聴率を気にしないからこそ、将棋、囲碁や古典芸能などを流すことができるのではないか。とりあえず、この件を語るにおいて、視聴率の問題は除外したい。
で、新コントの方から。結論からばっさり言うと、「面白くない」。確かに、すごく考えて作りこんであるし、お金もかかっている。コント不遇の状況で、潤沢に予算を使えるのは悪いことではない。これもスポンサーの制約を受けないNHKならでは。問題はしかし、それで面白いかということなのだ。シリーズ化前に去年放送された分の再放送もあってもう一度見たが、やっぱり面白くない。そして、万を持して、相方の浜田を呼んで作成された新作も、やはり面白くない。丁度、松本の昔のコント「VISUALBUM」の中から、浜田と共演した「システムキッチン」が大文化祭で放送されたが、この時のコントの方が間違いなく面白い。悲しいことだが、(私にとっての)松本さんのピークは過ぎてしまったのかもしれない。
で、「大文化祭」の方は、VISUALBUMの他に、ごっつええ感じのコントを部分的に、そして漫才をたっぶり。ただし漫才は、過去にビデオでリリースされた「ダウンタウンの流」からのものなので、まったく未見のものではないし、私などは当時繰り返し見過ぎて、セリフを覚えてしまっている。しかし、やはり漫才は面白い。やはり、それはテンポと、浜田の分かりやすいツッコミがあるでいなのだろうか。逆に、それが単純なツッコミではない形に昇華したVISUALBUMも、爆発的な笑いではないが、これはこれで私は好きだ。
その他は、「ピクミン」などのゲームクリエイター宮本氏などの対談もあったが、それは私にはどうでもよく、松本さんの好きな落語の話で、故桂枝雀さんの落語に振れられたのがよかった。なんだろうね。「話術」という芸がすごいものであるということを万人に納得させうる力を持つ圧倒的な話芸というものを知った。私などはもちろん到達しえない域のもの。対して、松本さんの芸は、一見到達できそうに見える(実はそうではないのだが」それが多くのダウンタウン亜流(亜流であるがゆえに本家を越えられない)を生む要因になったのかも。
映画のコーナーでは「大日本人」が放送された。この作品は第一作にして、松本映画の中で私の最もフェイバリットな一作である。DVD持ってるのに見てしまう。見るたびに、細部にわたるまで周到に作りこんでいるのが分かるのが楽しい。