猫魚日記

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2003年08月18日(月)  エネルギーの保存
団扇(うちわ)と扇子(せんす)のどちらが涼しいかわかりますか?団扇ですよね。

そりゃボブサップが長さ3mの扇子をあおいだらそっちの方が涼しいですが、同じ力を使ったときにどれだけ涼しいかを比べると、団扇の方が涼しいです。

これは団扇の面積が原因ではなく、団扇の軸に原因があります。団扇の軸は振るとしなり、反対方向に振るときにそのしなりが元に戻ります。しなりはエネルギーを蓄積し、逆方向に振るときにまたエネルギーを放出します。これにより、扇子より少ない力でうちわを振り続けられます。扇子の場合はしならないので、振るたびに、ある方向に振ったエネルギーを全て打ち消す力に加え逆方向に振る力も必要になります。

カンガルーが跳ねるときやイルカが泳ぐときにも、こんな「しなり」や「ねじれ」のようにエネルギーの蓄積・放出をくりかえしています。カンガルーは着地の衝撃を次の跳躍のエネルギーに振り替えるためのバネとしてコラーゲンを使い、イルカは振り下した尻尾のエネルギーを吸収して静止させ次に振り上げるエネルギーとして再利用するために(たしか)脂肪を使っているそうです。というわけで、人間の手首にも、こんな柔軟なバネが内蔵されていたら、扇子でも団扇なみに効率よくあおげることでしょう。

そういえば戦車の履帯(キャタピラ)も曲げて伸ばしてを繰り返しているわけで、ウェットピンの履帯はゴムブッシュが曲げ・伸ばしの際にエネルギーを蓄積・放出するので、ドライピンの履帯より効率が良いそうです。
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