いつの間にか日本でも発売になっていた「メガフォース」のDVDを買いました。1985年の映画です。ハイテク兵器を駆使した未来戦争アクション、と鳴り物入りで公開されたのですが、小学生が考えそうなオモチャのようなウソ兵器が走り回る噴飯物の映画で、興行的もコケたんじゃないかなあ。でも僕は大好きな映画です。
戦争モノでは、つい戦争の愚かしさや虚しさなんかを説きたくなったりしますが、この映画は違います。たぶん男の子なら誰でも子供の頃にあこがれた「戦争のカッコ良さ」だけを前面に押し出した映画なのです。いかにも子供が喜びそうなデザインのウソ兵器も「君たちも子供の頃には、こんなカッチョイイ超兵器を駆使して戦争で大活躍するヒーローになりたかったんじゃないの?」というストレートな問いかけなのです。殺し合いをしているはずなのに、この映画には敵味方を問わず「死の臭い」が一切しません。メガフォースのメンバーは常に軽口をたたき合っています。死を目前にして自らを鼓舞するために、あるいは恐怖を紛らわすために冗談を言っているのではありません。彼らは心底、戦闘を楽しんでいるのです。 そう、僕らはガンダムがカッチョよく戦う姿にまず惹かれたのです。戦争に巻き込まれた少年の苦悩なんてのは、後からついてきたものです。そんなものは、カッチョいい戦闘に心惹かれながらも、「やっぱ戦争は悪なんじゃないか?」という気持ちへの言い訳に過ぎません。その証拠に、その後のガンプラブームの時に、「独房でうずくまるアムロ」なんてプラモデルは発売されませんでしたし、ジムの腹をぶちぬくズゴックのジオラマに憧れても、アムロにビンタするブライトさんのジオラマなんて誰も欲しがりませんでした。
というわけでメガフォースです。この映画は「戦争って格好良い!」と思っていた、あの日に帰って楽しむ映画なのです。なんせ単身ヘリコプターで飛んできた敵の司令官は、メガフォースの隊長の親友で、二人で抱き合って過去のケンカを仲直りしてからの最終戦闘なのです。やぶれた敵司令官も最後は大笑いという脳天気さ。実にグゥ!!
しかしこの日本語字幕、肝心のジョークの部分がかなり欠落・誤訳しているのがとても残念です。英語や中文の字幕はちゃんと書かれているんだから、日本語字幕を作る人もチェックしてほしかったなあ。僕は英語がよくわからない(さっぱり聞き取れない)ので、字幕の不備は実に残念です。あと音!ひどい。なんじゃこりゃ。音のエンコードの品質が最悪です。(もしかしたらマスターの音声がめちゃくちゃなのかもしれないけど) | |