2006年7月27日

折原一「異人たちの館」(2)

227ページぐらいまで読んだ。またまた、疑問点が。
島崎というゴーストライターが取材して、手記を書くことになっている。ところが、160ページからの白浜に取材した記事の後に、島崎が白浜に取材する様子が載っている。順番が逆までとはいわないが、双方並べる必要があるのだろうか。この内容を含め、この手記を書いたのは島崎ではないのではないか?という疑問を読者に浮かばせるためだろうか?
他に、島崎が実際に人に取材している様子が描写される箇所をチェックしてみる。白浜のほかには、「季刊児童文学」編集長の野々村真治。手記の中では、野々村は小松原母子に直接会ったことになっているが、島崎との対面の描写では、野々村の記憶はあいまいだ。教師の田所のところでも、島崎が田所のコメントをチェックするという描写にとどまっており、直接会ったという確証はない。
本当に島崎自身が取材しているのか?どうもあやしい。手記の描写は前回の件もあり、信用ならないものとして扱ったほうがいいかもしれない。
島崎は、淳を直接知る人に取材した描写がないのは、何か理由があるのかもしれない。それは、島崎自身が書いてないか、島崎が淳を知る人に合っては不都合ななにかがある(島崎が淳本人であるとか)もしくはその両方である疑いが濃い。
「異人"たち"の館」というタイトルも気になる。「館」というのは小松原の館のことか。異人とは、島崎と他にいるということか。妙子やユキもひょっとして異人なのだろうか。

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