猫魚日記

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1999年08月20日(金)  劇場版少女革命ウテナ
アキハバラ電脳組と少女革命ウテナの映画を見てきました。アキハバラの方はまさに夏休みの日常(と一大事)で、自分が中学の頃の夏休みを思い出してなつかしかったです。
ウテナの方なんですが...僕はテレビも原作も見たことがなかったので解らないのですが、こちらは新作オリジナルストーリー、あるいはリメイクなんでしょうか?生まれて初めてウテナを見たのですが、何かの続編という感じはせず、1本の独立して完結した物語に思えました。
ウテナの話は...なんだか煙にまかれたようでしたが...
ウテナは幼い頃に、女の子を助けるためにトンガが溺れ死ぬのを目前にして、おかしくなってしまった。
シオリは、ウテナを溺れさせるつもりで溺れる演技をしたが、トンガが死んでしまった。シオリはトンガの死とウテナへの逆恨みのあまり、おかしくなってしまった。
姫宮は自分を頻繁に犯していた実の兄の自殺で、おかしくなってしまった。
ウテナが転校してきた学園とは、病院のこと。そこの患者たちの頭の中には現実と妄想が入り乱れている。新たな患者(ウテナ)の入院により、院内に入り乱れる妄想に変化が生じる。
姫宮と出会うことでウテナはトンガの溺死を認識し正気を取り戻しはじめる。姫宮もウテナに兄の姿を感じたところから、兄の自殺を認識しはじめる。何度も妄想と狂気に呼び戻されそうになりながら(これが最後の自動車レース)も、2人は正気に戻り、外の世界へ行く。すなわち退院する。ウテナへの嫉妬と恨みとトンガへの悔恨でいっぱいのシオリは正気に戻れなかった。2人が退院した後も、院内では妄想の世界が続いており、ウテナも姫宮も患者たちの頭の中には未だに存在している。それを表しているのが2人のワラ人形。
最後の最後に出てきた姫宮の兄は、「つらいことも悩みもない狂気の世界に戻ろうよう〜」という逃避への誘いなんでしょうかねえ。姫宮の兄も入水自殺だったら、「プールで水に濡れるのはあたりまえ」というトンガの言葉がいっそう暗喩を深めたかな。という解釈でいい...わけないですよねえ!テレビのウテナとか見ていた人、これ、正しくはどう解釈すべき物語だったのか教えてください〜!ウテナのプログラムも買っておけばよかったなあ。

目前まで行きながら「ゾーン」に入る勇気がなかった者たちの物語でしたが、ウテナと姫宮は「ゾーン」に入ったのです。
...ごめん、ウソ。真っ先に思い出した映画は「Gate to Hell(だったと思う)」。病院から車で脱出なんて、そっくり!もっとも、gate to hellでは、直って退院したわけじゃなくて、狂ったまま脱走したあげく嬉々として殺戮を行うんですが。

訂正: トンガではなくトウガです。それと、Gate to Hellではなく、「ジャンク・イン・ザ・ダーク(alone in the dark)」の間違いでした。
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2001年04月17日(火)  Kanonの栞シナリオについて

Kanon〜栞の謎




栞シナリオをプレイしていて疑問を持ったことはありませんか?

雪の中に何時間も立ちつくしたあげくアイスクリームをガンガン食べても病状が悪化しない病気とはなんだ?!

しかも「○月×日に死ぬ」とおそろしく精密に死亡予定日を推測できる治療不可能な病気とは何だ?

さらに死亡予定日ぎりぎりまでピンピンしている難病とはいったい何なんだっ?!

そんな都合のいい病気があってたまるか!!

僕もそう思いました。栞シナリオが単独で存在していたのならこの疑問は解けなかったでしょう。でもKanonというゲーム全体を見渡せばそこには栞の病気の正体への明確なベクトルが示されていたのです。これに気がつくまで3ヶ月もかかってしまった僕は、まだまだ読解力が低いです。ヒントは、他のヒロインは全て相沢祐一との想い出を持っているのに栞だけは7年前に祐一と会っていない、というところにあります。そう、ここがおかしいのです。つまり

栞も他のヒロイン同様に、7年前に相沢祐一に会っていたのだ!!

そのうえで、祐一も栞もそのことを忘れているのです。では当時の様子を再現してみましょう。7年前、おちゃらけ野郎の相沢祐一は体育の授業を休んで女子の笛をなめたり、日直で早出のときに女子のブルマをはいてみたりと、そりゃあもう変態的な行為を繰り返していました。ある日、相沢祐一は下級生の女の子に七年殺し(いわゆる「カンチョー!」ってやつですね)をぶちかましたのです。その下級生が栞だったのです。

過去に出会っていた事をお互いに覚えていないのも当然です。祐一にとっては当時、誰彼かまわず無数にカマしていた七年殺しですから名前なんて覚えているわけはないです。栞にとっても相沢は上級生であり名前も当然知らなかったことでしょう。あるいは当時名前を知っていたとしても、そんな恥ずかしい体験ですから、記憶の奥底に閉じ込めちゃったのでしょう。

それから時が流れ...ついにその7年目がやってきたのです。七年殺しは現代医学では治療不可能なうえに、死の前日までは普通の生活が送れます。栞の死亡予定日を宣告した医師は、マタンキ団出身に違いないです。栞が病名を言いたがらないわけも判りますよね。年頃の女の子が「七年殺しで死にそうなんです」なんて言えるかっ!

いやあ、これが栞の病気だったんですね?え?死ななかったって?そりゃそうです。七年殺しなんかで人が死んでたまるものですか!

だから栞シナリオにはもう1つのエンド、栞が死んでしまう結末が用意されているのです。これが奇跡です。奇跡の力で、七年殺しが効力を発揮したのです。

これで全て解決です!!
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2001年10月08日(月)  Air

AIR




柳也と裏葉の子孫は往人だけではありません!

それは晴子です。

法術使いが一子相伝なんてどこにも書いてません。子孫が1人きり、と考える方が不自然というものです。それにたとえ法術が一子相伝であっても、話の都合でラオウやらトキ様のようにいろいろ出てくるものですし...

さて、晴子が引き継いだ思いは「すべてを忘れて幸せになってもいい」という柳也の願いです。その願いの通り、晴子はプラプラと自由気ままに生きています。観鈴が死の淵にあっても「温泉巡りにレッツラゴー!」ってなもんです。また、法術使いの裏葉の思いを強く受け継ぐ往人と違い、晴子は法術は使えません。そのかわり柳也の類まれなる剣術の腕を引き継いでいます。それは、バイクで何度激突してもかすり傷一つ負わない驚異の身のこなしや、「AIR」でカラスのくちばしをはっしと掴む居合の技術からも明らかです。

ところが、「DREAM」の最後で往人が法術を使ってもう一度時間をやりなおしてしまったことで、晴子の運命も変化します。「血の繋がっていない観鈴と本当の家族になりたい」という思いを生じてしまったのです。これは柳也と裏葉が神奈に対して願った思いと全く同じです。しかし、晴子もこの思いを果たすことはできませんでした。ですが観鈴と思い出を作り成仏させることで「呪詛により空に封じ込まれた神奈を救う」という柳也と裏葉の願いを果たすことはできたのです。その結果、長い年月に渡って蓄積された柳也と裏葉の呪縛から解き放たれた晴子は、過去に縛られない前向きな一歩を踏み出すことになったのです。

完璧な解釈です!いままで晴子の存在を軽く見ていた君!観鈴コースに出てくる主役級キャラで唯一生き残るのは晴子なんですぞ!!

さらに衝撃の事実。

神奈以外の翼人が現代にいます!

オープニングと「AIR」のラストで、このAIRという物語を母から子へと伝える翼人が描かれています。これはとりもなおさず神奈以降に翼人が存在していることを示しています。では、その翼人とは誰なのか?

それはポテトです。ピコピコ〜。

神社のある山から聖に蹴りだされてもオッケーな飛翔能力。そして、犬でありながら人の言葉を解釈し、人に思いを伝えることのできる人智を超越した存在。佳乃の行方をすべて知っていることも、(おそらく翼人の残した)羽根に影響された佳乃と何か交感するものがあるのでしょう。

まちがいなく、ポテトは現代に再び現れた翼人です。そして翼人であるポテトは観鈴(あるいは空の神奈)と交わることで、この星の記憶と呪いのすべてを引き継ぎ、神奈を開放することのできる「はず」の存在なのです。往人がポテトを観鈴に会わせれば観鈴を解放することができた「はず」なのです。しかし観鈴は、神奈の母親と同じように、自分の苦しみ(自分にかけられた呪い)を他の翼人(ポテト)に伝える事を拒否します。これを明確に示している場面が「DREAM」の佳乃コースにあります。佳乃コースに入ることで往人がポテトと深く結びついたときに、観鈴は朝の送り迎えを拒絶します。ポテトに遭遇する可能性を避けるために、観鈴は往人を拒絶したのです。かくしてここから、星の記憶と呪詛を持たない新たな翼人「ポテト」の系譜が始まるのです。

つまり、全編を通してみるとAIRとは、晴子とポテトに未来を与えるための輪廻転生の物語だったのです!

おまけ:神奈と接触しなかった新翼人ポテト(OP/EDに現れる翼人の系譜)はどうやって過去の翼人(神奈)の情報を得る(得た)のでしょうか?これは推測にすぎませんが、おそらく柳也の書き残した「翼人伝」です。裏葉の作った人形だけ残って、柳也の書いた翼人伝が残らないわけがありません。この書物から知識を得ることでポテトは過去の呪詛を一切受けていないのです。しかし、人が書き記した翼人伝は不完全な知識であり、そのためポテトは翼人の姿になれず現在は犬の姿をしているのかもしれません。

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2002年09月03日(火)  アニメ作品と実写作品の違い
アニメが実写と大きく違うのは、映像が絵で描かれている点です。そりゃ、ま、あたりまえですが。
実写の場合は制作者が意図していないのに偶然映り込むものがありますが、絵の場合は画面の全てが意図して作られたものです。この違いは大きいです。
例えば、実写の時代劇のバックに電柱が映っていたら、その電柱は「ああ、映っちゃったんだな」と視聴者が無視すべき情報です。でも、アニメの時代劇でバックに電柱が描かれていたらその電柱は注目すべき情報です。アニメでは「ここに電柱を描こう」という意図なくして、画面に電柱が現れることはありえないからです。
こんなふうに、隅から隅まで画面に現れる全ての物に制作者の意志があるのがアニメです。だから、何度見直しても新しい発見があったりするので、好きなアニメは何度も見てしまいます。
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2003年01月18日(土)  2001年宇宙の旅 その2
また2001年宇宙の旅を見たのですが、何度見てもさっぱり意味がわかりません。特にHALを止めた以降がなんのこっちゃらです。初めて2001年宇宙の旅を見たのはたしか中学生の時だと思いますが、光の洪水に赤ちゃんの意味不明さに眠くて仕方なかったことを、今でもはっきりと覚えています。

で、こりゃあもう、この映画に明示的に表現されているものを直接受け取ることはあきらめて、この映画に隠された何か別の解釈をするしかない、てなことを考えていて、さっきトイレでふと思ったこと。

モノリスはセックスを意味しているのです!モノリスに触れた原人が扱うようになった骨、太くて固くてぶっとい骨。どうみてもチンコの暗喩ですよね。しかもむき出しの骨だから、間違いなくムケチンです。キューブリックのコンプレックスが見て取れます。彼はきっと仮性包茎だったのでしょう。
さて、原人の頃ならデカチンなだけでセックスできたのかもしれませんが、現代ではそうはいきません。現代における彼女の口説く道のりを表しているのが、長い長い宇宙旅行の描写です。映画を見たり、電話をしたり、うまい物食べたり。プレゼントも重要です。そうやすやすとセックスにたどり着けないわけですよ。また、ここいらの映像は技術的にもこりまくりで、「女を落とすには手練手管だ」というキューブリックのメッセージを感じずにはいられません。そしてHALとのいざこざ。やりたさあまり、気持ちが先走ってケンカになっちゃうこともある。最後はやっぱり力ずくでHALの回路を抜いていく、すなわち無理矢理服を脱がせちゃう、というのは「時仕じかけのオレンジ」にも通じる、キューブリックの暴力的なセックス観なんでしょうか。
そして光の洪水。これはもうセックスに伴う快感の映像化そのものです。あるいはもっと具体的に、「狭いところを突き進む」という映像なのかもしれませんが、なんとも卑猥です。モノリスに手を延ばす老人になったボウマン、いくつになっても男はセックスしたがるものなんですね。
さて、ではこの映画を総括しましょう。もうわかりますね。
セックスすると子供ができちゃうよ!!
宇宙ヘルメット無しで狭いところに突入するボーマンがコンドーム無しのセックス、すなわちディスカバリー号の妊娠への伏線になっていたは言うまでもありません。
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  • カジック(2006/03/14 01:28)
    おお、鋭い!さっぱりわからないとおっしゃっていながら、実にいいとこ突いてますよ。ザブトン5枚!
  • 結城(2006/03/15 01:25)
    こんな昔のところに...久々に読み返してみると、我ながら、的を射ているような。
  • カジック(2006/04/13 21:18)
    「アイズ・ワイド・シャット」はご覧になりましたか?キューブリックは、この映画で「2001年」の種明かしをやってますね。僕や管理人さんの解釈が大正解だということを教えてくれます。もっとも「2001年」の場合は、セックスだけがテーマじゃないんですけどね。もうひとつのテーマがわかれば、ザブトン10枚ですよ。
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2003年05月20日(火)  2001年宇宙の旅
2001年宇宙の旅を見て、いつも気になるのは最初の人類の夜明けのところです。
水場で上手(画面右)から現れた暴力サルに追いやられて下手に去ったサルたちが、武器を手にして「上手」から現れるところです。
ここは去った方向である下手から現れるのが定石です(去った方向と逆から現れると、見ている人がどっちがどっちだか混乱してしまう)が、そんな単純ミスをするとは思えないので、何か意味があるはずです。
進化は常に一方方向だ(まず、腕力を使うサルが上手から現れ、次に武器を使うサルが上手から現れる)、ということを表現したかったんでしょうか。
そういえば、サルの場面の次、有名な骨から変化する宇宙船の場面でも、宇宙船は上手から下手へ飛んでます。ついでにその後の人工衛星も上手から下手へ。更に宙を舞う万年筆まで上手から現れています。進化したものは常に上手から現れる!?
武器を持ったサルが上手から現れる理由は、こういう解釈でいいのかなあ...

そのあと、歩いている人は下手から現れるので、進化の頂点は万年筆ってこと、かな...
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