私はホラーやスプラッタは全然怖くないタイプだが、この映画は怖い。
現実にあった連続殺人事件を題材にしているが、実話だから怖い訳ではない。実際には設定も変えているし、主人公役の人物も存在しない。にもかかわらず、怖い。別に人体バラバラとか、そのシーンそのものが怖い訳でもない。
何が怖いかというと、「人」が怖い。主人公の前に現れる人のよさそうな熱帯魚屋のおやじ。こいつがまあ、とてつもなく怖い。あの顔で次々と残虐な所業に...しかしこの映画では、加害者側でなく、被害者側も怖いのだ。特に主人公。どんなにひどいことをされても、「ここは抵抗していいんじゃないの?」というとこでも、脅迫され、唯唯諾諾と従ってしまう。そのことが実は映画のミソになっているのだが...その服従ぶりが怖さを引きたたせるのだ。
人体バラバラ解体シーン。この映画では何度も出てくる。しかも、2回めも3回めも同じことするだけなんだから、省略してもいいところを執拗に繰り返す。実はこの繰り返しにこそ意味がある。っこで省略してしまったら、ラストの爆発の意味がなくなってしまうのだ。このあたり、園子温監督うまい。


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