この本の著者印税は被災地支援活動のため全額寄付されます!
この記事は川崎フロンターレのことをあまり知らない人向けに書かれています!
天野春果氏を知っていますか。おそらく、川崎フロンターレサポーターや一部のJリーグファン以外にはほとんど知られていないと思います。ですから、この本に書かれているいろいろな「仕掛けネタ(バナナやドリル)」のことを知ってる人は、その「ワケ」を理解する楽しみにあふれた本で、それで終わりなんですが、バナナやドリルエピソードを知らない人に、この本の魅力をどう伝えたらいいのか。悩んでしまいます。
川崎フロンターレは過去に、様々な面白い企画をうってきました。
どうしても勝てない鹿島アントラーズとの対戦を「K点越え」と銘うったり、エスパルス相手では「エースをねらえ!」をもじった「エスをねらえ!」(本当に岡ひろみの声優さんを連れてきて声をあててもらった)といったダジャレ、盛り上がりに欠けるダービーの代わりに、多摩川をはさんでお隣のFC東京との対戦を「多摩川クラシコ」と名付け、数々の企画をたてるなど。数えあげればキリがない。
多摩川クラシコでは、川崎からお隣の調布市に行くのに、電車、川渡りのツアー、はては船で大島⇒一泊⇒大島から飛行機で調布飛行場!という、陸海空を制したツアーという、バカバカしいけど壮大な企画がありました。
これらの名(迷?)企画を担当したのが先ほどご紹介した川崎フロンターレのプロモーション担当、天野氏なのです。
しかし、こういった一見おバカな企画の裏には、スポーツビジネスのロジックと天野氏のポリシーに基づく明確がビジョンがあったのです。
天野氏が就任した当初、人口100万人を越える政令指定都市川崎は、スポーツ不毛の地になりかけていました。過去にはプロ野球チームが去っていき、そしてヴェルディ川崎も。そんな中、まだJ2という、ほとんど注目されていなかったフロンターレ。市民のチームというより、富士通のチームというイメージが強く、観客もとうてい1万人には届かない、そんなチームも今では毎試合2万人近くの観客が押しよせる、人気チームに変貌しました。その裏には、まず企業チームのイメージをとり払い、市に応援を要請。またターゲットをファミリー層に設定して観客増を狙うといったビジョンのもとに、先ほど挙げた様々な企画で注目してもらう、また試合を見に来てもらうだけではなく、付加価値をつける、といった努力があったのです。
算数ドリルの件は、ニュースにもなったので知っている方もいるかもしれません。クラブが選手が載った算数ドリルを作成して市の小学校に配布したのです。これも地域貢献と、子供達にチームのことを知ってもらうという一石二鳥の意味があります。また本書では、なぜ算数ドリルだったのかという理由も明かされます。一つのことをやろうとすると色々大変なんですね...
ここまでで、川崎フロンターレというチームの面白さと、スポーツビジネスのノウハウと価値について理解いただければいいのですが、それでも足りなければ、こちらの著者インタビューをどうぞ。これだけ読めばすべてわかってしまうぐらい(笑)よくまとまっています。