第9地区

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この話は、優れたSFだと思うが、そこに描かれているのはやはり現実の世界で起きていることのメタファーだと思う。場所がかつてアパルトヘイトが敷かれていた南アフリカというのもそうだが、宇宙人たちを狭い居住区に隔離しておしこめる様子はまるでイスラエル、ガザ地区のよう。この物語の主人公であるヴィカスは、陽気でちょっといいかげんぽい白人。どこにでもいそうな兄ちゃんだ。彼は第9地区ではエビのような宇宙人に対する軽蔑、蔑視を隠そうともしない。つまりこれが一般市民の意識だということなのだ。そんな彼の身に大変なことが起こり、苦悩しつつも彼は宇宙人を助ける立場になっていく。つくりとしてはアバターに似たテーマがあるが、こちらの方がもっと共感しやすいと思う。宇宙人の造形がまた、絶対にお友達にはなりたくなさそうな造形をしていて、これもグッド。最初からかわいい宇宙人だったら、違った映画になってしまったろう。「寝返った」ヴィカスと宇宙人が、人間の部隊と戦闘になるのだが、ヴィカスは人間をどんどん殺す。戦争なのだから当然なのだが、これも現実の世界で起きている事なのだ。
面白かった。これは今年の映画で今のところベスト。

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