双葉文庫版(日本推理作家協会賞受賞作品全集)で、第一部177pまで読んでの推理。
ネタバレするかもしれないので、未読の方はご注意。
折原さんとは何度も「対戦」しているので、ある程度手の内は見えて...いるか?
まず、いきなり核心?から。
冒頭の「3年A組名簿」だが、これは1973年4月1日時点のものだ。つまり卒業名簿ではない。
後で、同窓会幹事なるものが出した名簿が文中に登場するが、これはその名簿と構成は同じだろうか?4/1名簿は、男16人女14人の30人だし、同窓会が出した名簿も「男16人」とある(74p)。
ところが、それは実はおかしい。ゴールデンウィークに「足立」なる転校生が増えて、またすぐ減っている。それはプラマイゼロとしても、その後読み進めると、男子生徒が一人、自殺してしまっているのだ。4/1名簿にも名がある稲垣公夫だ。そうすると、普通に考えれば、4/1名簿の16人と同窓会名簿の16人が同じとは考えにくい。同窓会名簿に稲垣の名前がないとすると、そこに載っているのは誰か。転校生「足立」か?
ここまで進めて、更に奇妙なことに気付く。4/1名簿には、「足立啓介」なる名がすでにある。しかし、「足立」の転校は5月じゃなかったか?すると、4/1の時点で最初から名があるのはおかしい。41pにも、「全部で三十人です」とあるので、最初に30人いたのは間違いないようだ。どういうことか。
転校生「足立」のくだりをよく読むと、「足立」は一度も下の名前で呼ばれていない。祖父ですら「孫」と言っている。ということは、転校生「足立」は、4/1からいた「足立啓介」とは別人である可能性が高い。この隠された転校生は怪しい。同窓会名簿は、つまり2人の足立を入れて30人なのか?それは読み進めないとわからないが...
もう一つ気になるのは、「過去」のくだりではその語り手である「私=3年A組教師」の名前が一度も登場しないことだ。「現在」では、3年A組の担任は脇坂という名前であったことが知らされている。が、「過去」にその名が登場しないのは...これも怪しい。
ついでに、「過去」時制で映画「エクソシスト」の話題が出てきた(12p)ので、これも調べてみた。
アメリカでの公開は1973年12月だが、日本での公開は1974年7月だ。これはおかしくないか。プロローグに出てきた少年というのは、そうすると、74年3月卒業の3年A組の生徒ではない可能性が高い。少なくとも74年7月よりも後でなければ不自然だからだ。とすると、プロローグの場面は何年のことなのだろうか。
分かっているのはこんなところか。では、読みすすめますか。


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