2009年2月11日

暗黒館の殺人(綾辻行人) 途中メモ(2)

上巻まで読み終わった。このメモもネタバレ全開なのでよろしゅう。
上巻の終わりの方で、視点その2の中也が謎の整理をしてくれている。それだけでも残された謎は満載(前回挙げた他に)なのだが、それはひとまず置いておいて、それ以外の謎を追ってみよう。
まず、前回の時間差の疑いだが、強力な裏付けになる記述が第十一章の148p(新書版)に。(B)(中也の視点)の「昨今の国際情勢」で、ソ連の平和共存路線と中ソ対立の深刻化、中東諸国の気懸かりな動勢」とある。まず、ソ連だが、この年(1991年)の12月にソ連は崩壊してるので、存在自体の記述は(A)(つまり江南孝明の現在)にもあてはまる。しかし、「中ソ対立」とは?ソ連の存在自体が危ぶまれてる時に、「中ソ対立」が昨今の国際情勢はないだろう。どちらかといえば、1960~70年代の方がしっくりくる。「ソ連の平和共存路線」もそう。これはフルシチョフあたりのことで、同じく60年代。続いて「中東の気懸かり」といえば...第三次中東戦争が起きたのが1967年。どうもこの辺があやしい。いずれにせよ(A)(B)間に時間のギャップが存在するのは間違いはなさそう。

もう一つ、気になるのが文中の括弧でくくられたモノローグのような言葉の断片。これは誰の言葉か?本文中では語られていないのに、このモノローグ中にのみ出現する固有名詞がある。(中村)青司」とか、「(江南)孝明」とか。これは、実は中也(過去)の視点の背後にある孝明(現在)の視点か?それともよりメタな「読者」の視点か?

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